ドライアイとは
涙は眼の表面を覆っており、眼に傷がつきにくくしたり、異物を洗い流したりするバリアのような働きをしております。 その涙が少なくなったり涙の成分のバランスがくずれると角膜や結膜が乾燥して傷がついたりしてきます。この状態がドライアイです。眼の肌荒れのような状況になります。眼の乾燥感として自覚される方もありますが、むしろ別の症状として自覚することがあります。 「眼が疲れやすい」「なんとなく違和感があるを感じる」「眼がゴロゴロする」「まぶしい」「物がかすんで見える」「涙がでる」「眼がよく充血する」「目やにが出る」「眼がかゆい」などのいろいろな症状がでます。なんと眼の疲れを感じる方の約86%にドライアイがあることが分かっています。
- 涙の構造
- 涙は油層、水層、ムチン層の3層構造でできておりそれらがバランスをとって涙の安定性を保っております。ドライアイの患者はこれらのバランスが崩れて涙が不安定になり涙が蒸発しやすくなったり、角膜が傷ついたりします。
ドライアイの原因として
空気の乾燥
夏のクーラーや冬の暖房でお部屋が乾燥していると眼から涙が蒸発しやすくなります。空調の風が直接あたるのもあまりよくありません。自転車に乗ると涙がでるというのもドライアイの症状の場合があります。
まばたきの減少
パソコンやテレビ、携帯メール、テレビゲームなど(VDT作業)や読書など集中して見ているときは瞬きの回数が減少しています。車の運転などでも集中しているとかなり瞬きの回数が減っています。
コンタクトレンズ
コンタクトレンズを使用するとコンタクトの表面から涙が蒸発しやすくなります。またまばたきが不完全になることによっても涙の分泌が減少します。
病気によるドライアイ
シェーグレン症候群といって、膠原病の一種でもドライアイを起こします。中年女性に多い病気で「涙腺」「唾液腺」に対する自己免疫疾患で強いドライアイおよび口内乾燥(ドライマウス)を引き起こします。
ドライアイの診断
シルマーテスト
下眼瞼にろ紙濾紙をはさんで、出てくる涙の量を測ります。
フルオレセイン染色
乾燥による角膜、結膜表面のキズを見たり、眼の表面の涙の膜安定性を見たりします。
ドライアイの治療
ドライアイの治療の基本は点眼で涙を補充することになります。人工涙液をさしたり、保水効果のあるヒアルロン酸の入った点眼薬をさしたりします。ある程度頻回(日に6回位)にさしていただいたほうが効果はあります。最近は水分を補給するだけでなく、ムチンを増加させる薬剤や涙の量を増やす薬剤が出てきております。 日常生活では部屋を加湿したり、乾燥防止のために眼鏡やゴーグル状の眼鏡を掛けたりするのもひとつの方法です。コンピューターのモニターやテレビは出来れば目線より下においたほうがドライアイの症状は軽快します。(見上げるようなポジションはドライアイが強くなります) 点眼を頻回にしても症状改善しない場合は涙が鼻へ流れ込む流れ道(涙点)を塞いで涙を眼にとどまらせる治療法(涙点プラグ)もあります。 蒸しタオル等で目の周りを温めるとまぶたからの油の分泌を良くして油層が安定してドライアイにも効果があると言われています。
大塚製薬のホームページにドライアイかどうかが自分でできるセルフチェックページがあります。
http://www.otsuka.co.jp/decoboco-eye/check/index.html